四十八歳の抵抗 (新潮文庫)のレビュー
48歳の姿には違和感があるが、この作家らしい作品
石川達三の作品を読むといつも、人生の先輩というか、神の視点から諭されているように感じてしまう。それが嫌いだったり、古くさい、説教臭いと感じる人も多いだろうが、個人的には一度は手に取ってみるべき作家だと思う。
本作品では老年にさしかかった主人公が、今までの平凡な人生から一歩踏み出そうという葛藤が描かれている。会社でこそ次長の立場にある主人公も、家庭においては妻子には相手にされないという典型的なオヤジである。しかもいまさらのように若い娘との恋愛にワクワクする一方、娘の恋愛・結婚問題に過敏になる二面性に気づいてその矛盾とも暗闘している。
全体にゲーテ「ファウスト」を案内役としているが、、いろいろな個性の人物が登場し、案内されるままに飲屋街を彷徨う辺りは、それが近場の温泉街であっても、幻想的な雰囲気すらする。
逡巡と内省を繰り返し、外部にも翻弄されながら、最後の落としどころとしてはこの作家らしいと思える。そこがまたこの作家の限界として好き嫌いの分かれるところかもしれない。
ところで本書には違和感というか不満がある。「四十八歳」と言う主人公の枯れ具合である。現在の同じ年齢ではこれほど枯れていないのではないかと思うからだ。それは時代がもたらした幼稚化なのだろうか。喜ぶべきなのか、憂うべきなのか、石川達三に聞いてみたいところだ。。
本作品では老年にさしかかった主人公が、今までの平凡な人生から一歩踏み出そうという葛藤が描かれている。会社でこそ次長の立場にある主人公も、家庭においては妻子には相手にされないという典型的なオヤジである。しかもいまさらのように若い娘との恋愛にワクワクする一方、娘の恋愛・結婚問題に過敏になる二面性に気づいてその矛盾とも暗闘している。
全体にゲーテ「ファウスト」を案内役としているが、、いろいろな個性の人物が登場し、案内されるままに飲屋街を彷徨う辺りは、それが近場の温泉街であっても、幻想的な雰囲気すらする。
逡巡と内省を繰り返し、外部にも翻弄されながら、最後の落としどころとしてはこの作家らしいと思える。そこがまたこの作家の限界として好き嫌いの分かれるところかもしれない。
ところで本書には違和感というか不満がある。「四十八歳」と言う主人公の枯れ具合である。現在の同じ年齢ではこれほど枯れていないのではないかと思うからだ。それは時代がもたらした幼稚化なのだろうか。喜ぶべきなのか、憂うべきなのか、石川達三に聞いてみたいところだ。。

熱海温泉、ヌード撮影会など時代がかっているが、人間の方はそれほど進化していない部分もあるのかもしれない。
唯一分からないのが、メフィストフェレスに例えられている曽我法介。彼は一体何者であったのか。何故、西村耕太郎の秘密を知っていたのか。わざと謎解きをしていないのかもしれないが、中途半端な扱いである。